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2024ダイジェスト


2024年2月22日「吊るし雲と高層雲」
前線は南に位置。前線に向かって吹き込む北~西寄りの風が、鈴鹿山脈に沿ってたくさんの吊るし雲が生じました。さらに上層には高層雲が重なり、曇り空ながら見応えある1日となりました。日中雨は降りませんでしたが、21時ごろからまぁまぁの雨が降り始めました。
2024年3月19日「自然にはこんな現象がある。」
朝、巻層雲が広がってきました。出勤中、太陽周り(22°ハロ)はあまり目立って無かったので、期待していなかったのですが、職場についた後に見上げると鮮烈な環天頂アークが見られました!これまで観測した中でも5本の指に収まるレベルの完璧さです。太陽の周りを見ると、22°ハロは淡いながらも非常にシャープな像。タンジェントアークは付随してなく、あるのは幻日と幻日環。それを見て、この巻層雲を構成するのは、ほとんど六角板状氷晶だと確信しました。その証拠が、タンジェントアークの不在や22°ハロの薄さです。
2024年4月6日「はる はハロの季節 外接ハロ」
前線に沿った上層雲域に、朝から明瞭なハロが生じました。私の統計によると、ハロの出現は、3月に増加し5月にピークを迎えることがわかっています。4月が始まってまだ6日目ですが、すでに2日に1日はハロが出現しています。
2024年4月26日「田植え前の水鏡 -リフレクション幻日- 」
田んぼに水が張られる時期となりました。田植え前の水田は水鏡となり、天地がひっくり返ったかのような錯覚を覚えるほど美しい眺めとなります。淡いながらしっかりと分光した幻日も、水鏡に映り込んでいます。
2024年5月10日「巨大な肉眼黒点群」
今月に入ってからXクラスのフレアを計9回観測している現在の太陽。3664黒点群は非常に大きく、肉眼でもその存在がわかるサイズ。ちょっと禍々しさも感じます。せっかくなので、約2時間のタイムラプスにSeestarで挑戦。自転の様子がわかる一枚となりました。
2024年6月11日「人為起源の積雲(並雲)」
発電所が近くにある我が家では、人為起源雲(Homogenitus)がよく見られます。今日の雲は、下層にほとんど風が吹いていないのか、そのまま上昇してぷかっと浮かんだ少し不思議な見た目。人為起源雲の写真を出してと言われたら、おそらくこの写真を使おうとは思うのですが、実際は生じた雲がその場にとどまるのはあまりない光景だと思います。これをみると「雲は煙突からできる」という子どもの素朴な誤概念も納得がいきますね。
2024年7月21日「福井Cbにスプライト」
四日市市で最高気温34.6℃ (14:27)。非常に蒸し暑い1日となりました。今日は16時以降に点々と積乱雲が生じました。東の空、多治見方向の積乱雲が一番目立ったので、70mmでタイムラプス撮影。途中の勢いこそはあれど、すぐに発達は衰退していきました。 夕方、西の空の低空いっぱいに、かなとこ雲が広がっていました。衛星画像を見ると、兵庫付近で生じた積乱雲の巨大なかなとこ雲のようです。日が沈むにつれて、かなとこ雲が発雷で何度もフラッシュされていて「スプライトが生じているかも」。試しにUFOCaptureを仕掛けてみると、一回だけスプライトが生じていることを確認することができました。今までSD撮影しかしたことがない私にとって、ここまで高画質でしかもカラーのスプライトがこんなに簡単に撮影できるなんて、、と驚嘆しっぱなしです。
2024年8月4日「各地で広がる積乱雲」
四日市市では最高気温35.8℃ (13:57)の猛暑日。午後には各地で積乱雲が発達し、夕方には主に3つの積乱雲が観察できました。成層圏下部まで発達した積乱雲は、水平方向に広がってかなとこ雲を形成します。この時、積乱雲は毛羽だった繊維状の構造を作り出します。遠方からこの状態を観察すると、教科書で見るような積乱雲の姿とはちょっと違うため、そのような事実を知っておくことも雲観察のポイントの一つだったりします。
2024年8月7日「肉眼黒点現る 積乱雲の絶景」
四日市市で最高気温35.4℃ (14:29)で猛暑日。今日も各地で積乱雲が発生しました。夕方には静岡方面と高山方面に見事なかなとこ雲を付随した積乱雲が見られました。目には見えない対流圏界面を可視化してくれています。
2024年8月9日「そびえ立つ空の王者」
桑名市で最高気温40.4℃ (14:22)を観測。観測史上初めて40度を超えました。夕方には周囲に積乱雲は少なく、上層雲のような邪魔もない中、豊田市上空に見事な積乱雲が発生しました!青空とのコントラストが本当に美しく、ほとんど教科書的といっていいライフサイクルを送りました。
2024年8月24日「積乱雲の薄明光線と環天頂アーク/逆光の積乱雲が目の前に!」
仕事で伊勢市へ。日中の空観察はあまりできなかったのですが、日本列島各地で積乱雲が卓越していました。夕方、帰宅途中に亀山付近を通過中に西の空に積乱雲の塔!間近に迫るその姿は迫力満点です。太陽が背後にあるため、逆光となっており、雲頂からは薄明光線が。対日点までは伸びていないなぁと思って頭上を見ると、思いがけず環天頂アークが生じていました!消滅途中のなんらかの雲に生じており、その分光が非常に美しい!環天頂アークと薄明光線、そして積乱雲とのコラボレーションがとてもユニークな一枚になりました。 夜には北の空で激しい雷雨。積乱雲の移動はあまりないようで、音や光が頻繁に聞こえてきます。今日の夜撮影した写真は明日の記事に掲載したいと思います。
2024年8月25日「前夜、落雷 Cbラッシュvel pil」
昨夜、北の空を中心に積乱雲。落雷に伴う音や光がたくさん観察されました。四日市の自宅近くにも発生したのですが、積乱雲の移動がほぼなく雨にも遭わずに落雷の様子を観察することができました。翌日(つまり)もやはりCbラッシュ。たくさんの北の空ではたくさんの積乱雲が世代交代をしながら生じ続けました。雄大積雲が自由対流高度に到達してどんどん発達し積乱雲の無毛雲へ。頭巾雲やベール雲を付随させながら発達を続け次第にかなとこ雲を形成、上層は繊維状にほつれて行きだんだんと多毛雲へ。そんななか下層では新しい積乱雲が...といったことをずっと繰り返していました。激しい対流活動の記録は今日のyoutubeをご覧ください。
2024年8月26日「塔状に発達する積雲の群れ/アーチ雲」
いつもの方角には積乱雲が少なく、美しく配列する塔状に発達した積雲の群れが見られました。夕方、台風由来の暖湿気に伴う積乱雲域がやってきそうで、急遽南の空にカメラを設置。レーダーも確認しながら観察していると、アーチ雲がやってきました。今日の動画を見てもらうとわかるように、近くの煙突の煙がガストフロントの通過に伴って急激に流される様子が捉えられており、風の流れが分かりやすい動画となっております。なお、このアーチ雲が通過したあと激しい降水を覚悟していましたが、雨は降らず。後でレーダーを確認すると、直前で力尽きているようでした。
2024年8月31日「層雲の波頭雲/反薄明光線/主虹と反薄明光線/赤虹/乳房雲の群れ」
台風10号(と、今でも呼称されている擾乱)の中心部分が三重県に大接近。台風と呼べるほどの最大瞬間風速は持っていませんが、全層にわたって濃密な湿気を流入させて、夕方にはものすごい夕焼けの大スペクタクルを見せてくれました。 室内でもわかるほど、外が黄金に輝いていきまずは強烈な反薄明光線!今まで見た中でいちばんのものでした。そのまま観察を続けていると虹が出現。全周とはなりませんでしたが、美しく分光しました。 周囲が見渡せる場所に来ると、層雲や層積雲が広がり、一部は吊るし雲となって空に浮かびます。さらにその上層では強烈な乳房雲が広がって、夕景をさらに盛り上げてくれました。
2024年9月12日「頭巾雲の彩雲」
四日市市では最高気温33.5℃ (13:19)、桑名市では34.9℃ (13:01)と、猛暑日に迫る勢い。東から北の空を中心に積乱雲がたくさん発生し、そのかなとこ雲が切離してたくさん三重県に流れ込んできました。夕方にも新たに発達する積乱雲が各地で見られました。中でも美しい彩雲を生じさせる頭巾雲がなかなか珍しく見入ってしまいました。ニュースにもなっており、各地で観察されたみたいです。
2024年9月17日「尾流雲/激レア!積雲のアーチ雲/巻雲の鉤状雲/房状雲」
朝、四日市から鈴鹿の職場へ出勤中にアーチ雲が見られました。雲底はどす黒く降水も伴っていそうで、その本体に突っ込む形で降水を体験。レーダーを見る限り一番降水が強い場所を通過しましたが、そこまで激しい雨でもなく、発雷もなし。降水が継続した時間も短く拍子抜けしました。少し離れてからこの降水をもたらした雲を見てみると、かなとこ雲のような部分が付随しており「積乱雲かな」と思いました。しかし、雲頂の高度はそこまで高くなく、かなとこ雲に思われた雲もどんどん形を崩していきました。なので今回のアーチ雲は「積雲のアーチ雲」と判定。積雲のそれは難物です。 夕方には美しい巻雲が天頂付近を覆いました。まずは短いフックを持った巻雲の鉤状雲。方向や配置が揃っているので放射状雲となりました。この雲域はやがて房状雲へと変化をしていきました。巻雲の房状雲と巻積雲の房状雲の判定は、少々困ることがあるのですが今回のように明らかな巻雲から形を変える形で房状雲になることもあるのだなぁと勉強になりました。
2024年9月24日「高積雲の隙間雲でわかる二重雲 乳房雲」
夕方、東の空を中心に高積雲が広がりました。写真では分かりくい二重雲でしたが、時間が経つと隙間雲になっていき、上層の高積雲がよくわかるようになりました。そのまま時間が経つと、その高積雲には乳房雲が付随するようになりました。少し豪華で不気味な景色となりました。
2024年10月22日「高積雲のロール雲」
前夜、快晴となりオリオン座流星群の撮影を行いました。オリオン座流星群由来の流星もたくさん見られたのですが、同時期に活動しているおうし座北・南流星群由来の流星もたくさん検出されました。 早朝は、快晴から高積雲主体の空へ。空が高く感じるような美しい景色となりました。東の空には高積雲にくっつくような形で生じた細長い雲。最初、穴あき雲や尾流雲由来の雲かなと思ったのですが(雲自体がモヤっとしていたため)20分近く継続して生じておりロール雲だと判定しました。
2024年10月25日「幻日周辺に見られたレア現象 ローウィッツ・パリー他」
南岸の離れたところにに停滞前線。その上層雲域がかかる形で、昼過ぎから巻層雲が広がり始めました。12時ごろ、最初にタンジェントアークが明瞭に分光し始めたかと思ったら、鮮烈な幻日!その幻日から幻日環が伸び始めて今日のレア現象がスタートしました。 まずは眩しい幻日周辺に見られた現象から。良質なローウィッツ配向の氷晶が分布していいたようで、過去一綺麗なローウィッツアークを観察することができました。22°ハロに接するように幻日から上部、下部へと伸びています。環状ローウィッツと思われる部分もB-R法による画像では確認できました。 また、22°ハロの上部には明瞭なタンジェントアークとパリーアーク。太陽高度40°くらいだとタンジェントアークは22°ハロに上に凸で接しながら下方に伸びていきますが、パリーアークはもう少し曲率が小さいため状態がいいとタンジェントアークからも分離していきます。今日はそのような様子がよくわかりました。 幻日環上には120°幻日。久しぶりにレアな現象がひしめき合う1日となりました。
2024年11月2日「主虹・副虹/濃密な層雲」
発達した温帯低気圧が通過。三重県では竜巻注意報が発令され、猛烈な雨が降る時間帯も。夕方にようやくこれらの雲域が抜けて西陽が差し込み虹が生じました。主虹だけでなく副虹までしっかり見られ、過剰虹もよくわかりました。
2024年11月27日「小さな層積雲の群れ」
昨日寒冷前線が通過後、山越の気流がレンズ雲や層積雲を作り出しました。特に、一点から放射しているように見える層積雲が面白く、しばらく観察。一見、雲片が詰まっているように見えますが、実際は一つ一つに雲に付随した「もわっとした」部分。尾流雲、というよりも雲自体が蒸発してっているようです。
2024年12月5日「トランスバースラインの巻雲列」
緩やかな西高東低。朝には巻層雲に幻日。それ以外の現象は見られず、六角板状氷晶から構成された巻層雲だったようです。午後、まだ上層雲が見えるなーと思い、屋上に出ると、南-北に走向を持つ巻雲がびっしり。これは、強風軸にほぼ垂直に発達するトランスバースラインと呼ばれる巻雲列です。円周魚眼レンズでこの雲を撮影すると、地平線上から地平線に向かって巻雲が分布している様子がよくわかります。
2024年12月5日「激レア!Ellipticalハロ」
鈴鹿山脈を越える気流が長時間明瞭な吊るし雲を生じさせました。この吊るし雲は衛星画像からも確認できており、その吊るし雲から始まる高積雲になんとElliptical Halo(楕円ハロ)が生じました!一般的な大気光学現象は、巻層雲や巻雲の氷晶に生じますが楕円ハロは高積雲などの中層雲に生じやすいそうです。太陽に非常に近い位置で生じるため、発見がかなり困難な現象のうちの一つ。私にとってはこれで3回目の出会いです。非常にレアな現象ですが、それなりの経験値があるので、NDフィルターを介さなくても、出現をほぼ確信することができました。薄いピラミダル氷晶によってできるため、22°以外にも暈が生じているようにもみうけられます。視半径の解析は時間と体力の都合で特にしませんが、今日の大気光学現象は「odd radius halos」と言っていいと思います。
2024年12月12日「月光の環水平アーク・幻日環」
ふたご座流星群の極大前夜。観察のため外に出ると、高積雲が広がっていました。雲間から流星ウォッチングができるかなと思い、機器のセッティングをしてから空を見上げると仰天しました。肉眼でもわかるほど鮮明な22°ハロと環水平アークが出現していたのです!さらに、長時間露光をかけて撮影すると、幻月環(=月光による幻日環)まで生じていました! この素晴らしい光のショーは30分も続かず、その後はいつものような大気光象に変化をしていきました。油断も隙もないとはまさにこのことです。
2024年12月23日「モルゲンロート 虹」
鈴鹿山脈は昨日からの雪雲の襲来ですっかりと雪化粧。朝にも雪雲がけぶっており、朝日を浴びて美しいモルゲンロートとなりました。降水粒子は地表に着く頃には雨となっているため、朝日を受けて主虹がよくみられました。昼過ぎからは鈴鹿山脈に並行な雲の列が見られました。衛星画像でも明瞭です。

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