2020ダイジェスト

2020年1月29日「巻積雲の蜂の巣状雲」
津市で最大気温15.3℃と暖かい一日.雲量は次第に減っていき,平野では積雲対流が所々でみられました.だんだんと雲量は減っていき,巻積雲の蜂の巣状雲が見られました.
2020年2月20日「ラテラルアーク」
朝から上層雲が広がり,日中は22°ハロが見られました。夕方には,分光の度合いが上がり,タンジェントアークが明瞭に。それを観察し終えてから帰ろうとしたら,突然ラテラルアークが明瞭に輝き始めました! ラテラルアークは15分くらい継続しましたが,上層雲が無くなっていき,やがて見られなくなりました。
2020年3月3日「レンズ雲と太陽柱」
日中は高層雲か巻層雲かというはとも空。少なくとも22°ハロはありませんでしたが,その下にはレンズ雲。夕方には巻積雲や高積雲がレンズ雲状となり空を豪華に彩りました。また,サンピラー(太陽柱)も生じており楽しい1日となりました。
2020年3月13日「フラクタス」
安定な空の下,22°ハロが生じました。地点によってはレアハロがみられたところもあったようです。昼ごろには面白い雲をスナップ。上層雲の一部が波打っている様子がわかります。これは,ケルビン・ヘルムホルツ不安定性が可視化されたもので,鉛直シアが生じている時に生じます。
2020年5月14日「リフレクション幻日」
夕方に再び観察に出かけると,明瞭なラテラルアークを確認!環天頂アークに接していることと,比較的明瞭なタンジェントアークが生じていることからも判定ができます。 そして極めつきは最後のトップ画像に選んだ幻日!幻日自体はそこまで珍しい物ではないですが,水田に反射する幻日は本当に美しいものでした。
2020年6月26日「トワイライト・コントラスト」
梅雨前線上に発生した,寒気と暖気の有効位置エネルギーの開放(すなわち,温帯低気圧)により,不安定な空模様。昼には伊勢平野のあちらこちらで雄大積雲や積乱雲が乱立しましたが,発雷には至らず。夕方には,そのような不安定な大気の下成長した雄大積雲と,その上空の放射状雲の絶景に癒されました。この放射状雲はおそらく上空の風の流れに沿った雲。それに直交するような波状雲も確認できます。人間性が回復する瞬間です。
2020年7月13日「ネオワイズ彗星」
彗星を狙って2:30に起床し東の空をみると,雲間があって彗星が観察できそうな感じ。赤道儀を持って堤防へ行き,彗星が昇ってくるのを待ち構えていると,雲の隙間からかろうじて彗星のコマや尾が見え始めました。撮影をしながら双眼鏡でその姿を観察。人生初の肉眼彗星でした。遥か彼方から太陽系を旅してきた彗星に思いを馳せながら,その姿を堪能。しかし,残念ながら雲に阻まれて十分な時間が取れたとは言えません。今日のトップ画像はそんな彗星の姿がまぁ分かる程度に撮影できたものです。ダストの尾が伸びている様子がよく分かります。ちなみにこの日,彗星の姿を確認できたのはたったの数分のみでした。
2020年7月26日「太陽高度0°の赤虹」
今日も南から暖湿気の流入。太平洋高気圧の縁辺流によるもので,梅雨末期の大雨はこれが怖いのです。天気図の変化は,日本海に存在する寒冷渦の影響で変化がゆっくり。積算降水量が増加し,土砂災害や低地の浸水害などの災害に注意を向ける必要があります。 夕方になり雷を伴った雨。それが空けると西の空が美しく焼けました。夕焼けの美しさに身惚れていると,背後(東の空)で虹!今日の日没時刻が19:01なので,太陽高度が0°の虹になります。そのため,地平線に中心を持つ虹となるため,虹の足下は垂直になります。広角レンズで全貌を撮影すると,端の方が歪んでしまいますが,望遠レンズで撮影すると足下が垂直に切り立っている様子が分かります。
2020年8月11日「美濃の積乱雲」
積乱雲は自由対流高度まで持ち上がった大気が加速度的に上昇して形成される雲。水平方向にも鉛直方向にも大きな雲です。加速的に上昇する大気が対流圏界面(≒対流圏と成層圏の境)に達すると,それ以上上昇できずに水平方向に広がりアンビル(かなとこ雲)を形成。一方雲本体の降水により,下降流が支配的になると積乱雲は衰退期に入ります。条件にもよりますが,単一の積乱雲の一生はおおよそ1時間。その様子を四日市から観察するのでした。
2020年8月12日「夏の天の川銀河/ネオワイズ彗星/アンドロメダ銀河/ ペルセウス座流星群」
トップの写真は昨日(8/11)から翌日未明にかけての写真です。 本当なら今日(8/12)がペルセウス座流星群の極大夜ですが,前日の予報で,下層雲が途切れそうにないと判断し,急遽紀北町に遠征することにしました。撮影場所に到着したのが19時ごろ。機材のセッティングを明るいうちにすませて,天文薄明が終わるまでお弁当を食べていました。 ちょうど食べ終わるころには天文薄明は終了し,周囲は暗闇に包まれていました。そのまま頭を上げると,そこには南中に差し掛かった天の川の絶景!あの瞬間は一生忘れないでしょう。今日のトップ画像はその直後に撮影した天の川銀河です。
2020年9月5日「夜の雷雨」
夜には東から,雷を伴った積乱雲がやってきました。南東方向にインターバル撮影をして積乱雲の様子を観察。この動画では,①南東方向からアーチ雲がやってきて②それと同時に落雷域が近づいてくる,ということがよくわかります。ベランダでこの様子を観察していましたが,ガストフロントの通過を直に感じることができました。そして,アーチ雲をくぐり抜けると,落雷を伴った降水域。電場を感じながら観察しているとなんと眼前に落雷!一瞬の閃光でしたが,先駆放電→帰還雷撃までの一連の流れもよくわかりました。
2020年9月6日「迫りくるガストフロント 〜アーチ雲の絶景〜」
日が昇ってからも,以前この暖湿気の流入は続き,大気の状態は不安定。あちらこちらで積乱雲が生じていました。夕方,ふと外をみるとアーチ雲が接近中!ガストフロント(積乱雲の冷気外出流)によって生じた局所的な寒冷前線に対応した雲で,防災上注意が必要な雲です。ガストフロントが通過し,頭上にアーチ雲が来た頃に急いで屋内へ。その瞬間に物凄い降水がありました。
2020年11月12日「瀬戸内海に浮かぶ雲列」
四国の海岸線上を愛媛県から東進するように移動。基本的には終日快晴でしたが,早朝の瀬戸内海上には,かなり特徴的な雲列が生じていました。その様子は気象衛星画像でも捉えられており,瀬戸内海全体で生じていたようです。詳しく解析していませんが,陸風前線に対応したのだと思います。
2020年11月12日「一瞬のレンズ雲」
東西に走向を持つ巻雲列。幻日などの氷晶による大気光学現象も生じました。昼,仕事の合間に空を見てみると,特徴的なレンズ雲が生じていました。少し時間がたってから,その様子を詳細に観察しようとしましたが,その時には消えていました。この雲は,衛星画像でも捉えられており,一時的に生じた山越え気流による雲であるとわかります。
2020年11月29日「H2Aロケット43号機による夜光雲」
楠漁港近くの海岸で観察。16:50ごろから南の空を中心に注意深く観察していましたが,最初は全く見えず。市民薄明が終わるかな,という頃の写真を詳しく見てみると,繊維状の淡い様子が少しだけ写っていました。辺りが暗くなるにつれ,その姿は肉眼でもしっかり見えるようになり,全貌が見え始めました。折れ曲がるような形状をしているのは,高度によって風速が違うためであると思われます。双眼鏡を使って,微細な雲の変化を観察。中間圏の大気の流れは,流星痕くらいでしか観察したことがなかったため,なかなか面白いものでした。
2020年12月13日「ふたご座流星2020 永続痕の変化」
今回は,三重県の紀北町で流星観測。今年,ペルセウス座流星群を観測した場所と同じです。活発な流星活動と,それに伴う永続痕をたくさん観察しました。永続痕とは,流星が流れた後に残るもので,中間圏の風によって流れていきます。鉛直シアがあるため,永続痕は複雑な形に姿を変えていきます。この時の様子を,GIFアニメーションにもしましたので,ご覧ください。永続痕の中には5分近く残っている物もありました。
2020年12月21日「土星と木星が最接近」
今日,木星と土星が最接近しました。ふたご座流星群を撮影しに紀伊半島に遠征した時もかなり接近していましたが,このときはまだ目視で2つの惑星を確認できる程度でした。今日は,目視では全く分からず,望遠鏡を使った観察で初めてその全貌がわかりました。シーイングもまあまあよく,土星の環の様子もわかります。 使用した望遠鏡はポルタ2という入門用の屈折望遠鏡です。この望遠鏡は,私が小学5年生の時にお年玉などをためて3万円で購入したものです。 母に連れられて参加した名古屋市科学館の観察会で初めて土星の環を見て感銘を受けた私は,「自分の望遠鏡で土星を見たい」と思い購入したのでした。14年たった今でも使っているこの望遠鏡は,理科教員という道を選ぶルーツの一つです。
2020年12月27日「Elliptical Halo出現!」
朝は雲ひとつない快晴。夕方から少しずつ中層雲(高積雲)が増えていきました。この雲を撮影しようと,太陽を納めながら撮影したところ太陽の形が縦に長いことに気がつきました。ただのゴーストではないことを直感し,車に積んでいるNDフィルターを装着して撮影。すると,思った通り,太陽から数度離れたところに楕円状のハロが映り込みました。これは,Elliptical Halo(以降,この記事では楕円ハロと呼ぶ)と呼ばれる非常に稀な現象です。私にとっては,2018年1月31日の皆既月食の日以来2度目の遭遇。この時は月の周りに生じたので肉眼でも確認ができましたが,今回は太陽の周りです(それも真昼!)。直接観測でこの現象を見抜くのは極めて困難な現象であることがよくわかりました。 一般的な大気光学現象は,巻層雲や巻雲の氷晶に生じますが,楕円ハロは高積雲などの中層雲に生じやすいそうです。確かに,前回も今回も,上層雲には生じていません。楕円ハロは,極めて薄いピラミダル氷晶によって生じると考えられているようですが,詳しい成因はまだよくわかっていないようです。一説では,樹枝状の雪結晶によって生じると考えられているようです。

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