2021年1月11日月曜日

自然にはこんな現象がある。


「マルチ・ハロ・ディスプレイ」(四日市市)

上空の気圧の谷に対応して,午前中は高層雲。薄くなり始めた頃に,上空の氷雲による22°ハロがぼんやりと見え始めました。あまり期待せずに空の変化を見ていくと,ぼんやりと幻日環,そして120°幻日!これを皮切りに,大気光学現象の大バーストが始まりました。
まずは,明瞭な上部タンジェントアーク(UTA)。太陽高度23°程度だと,UTAの形はカモメのような形になります(参考)。UTAに覆いかぶさるように生じているのはパリーアーク(PA)!非常に珍しい大気光象で,私にとっては2019年10月28日以来の遭遇です。TAの成因は六角柱氷晶の長軸が水平であることですが,PAはそれに加えて六角中の側面が水平になることが求められます。当然,力学的に不安定な姿勢のためレア現象といえるでしょう。
現象は続きます。太陽高度が下がるにつれて,今度は環天頂アーク(CZA)が明瞭になってきました。CZAは,太陽の上方約46°に生じる現象で,天頂を中心に120°の場所に生じます。このことから,カメラで捉えると,太陽高度が下がるに従ってCZAのサイズは大きくなっていきます(参考1参考2)。
これらの現象が一斉に生じる様子を,マルチ・ハロ・ディスプレイなどとよんだりします。約5年間,毎日空を見上げ続けていますが,今日のマルチディスプレイはその中でも一番素晴らしいものでした。

▼幻日と幻日環の微速度撮影▼

▼クリックすると大きな写真で楽しめます▼

12:51 高層雲が薄くなり,淡く22°ハロ(22deg)が見え始める 13:32 22deg・上部タンジェントアーク(UTA)  13:36 120°幻日 幻日環(PC) 13:36 円周魚眼レンズ 13:45 UTA・幻日(Ph)
13:47 22deg Ph 13:48  13:48 円周魚眼レンズ(トリミング)
46°ハロの存在も淡く確認できる(SLAと曲率が異なる)
13:50 UTA  13:50 UTA Ph
13:51 13:53 13:53 13:55 Ph 13:57 円周魚眼レンズ(トリミング)
13:58 13:59 14:00 14:08 14:09 Ph
14:10 Ph(右) 14:11 Ph・PC 14:11 Ph・PC 14:12 円周魚眼レンズ(トリミング) 14:12 
14:12 14:12 14:12 Ph・PC・UTA ・PA 14:13 環天頂アーク(CZA) 上部ラテラルアーク(SLA) 14:13 UTA・PA
14:13 CZA 14:14 14:16 CZA 14:16 14:16
14:17 円周魚眼レンズ(トリミング) 14:17 タンジェントアークに覆いかぶさるようにパリーアーク 14:18 14:20 14:20
14:21 14:22  14:22 円周魚眼レンズ(トリミング) 14:23  14:23
14:23 CZA 14:24 マルチディスプレイ・ハロ 14:27 CZA 14:27 CZA (追記) 強調処理によって浮かび上がる46°ハロ




 

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