2019年10月28日月曜日

幻日環と120°幻日 パリー 46°ハロの一部


明瞭なタンジェントアーク
※以下,TA
46°ハロのかけら




幻日環と120°幻日



パリーアーク
「レア現象が一挙勢揃い」(津市)

午前中は快晴で,飛行機雲ができてもすぐに消えるような安定した高層大気.その後正午を過ぎる頃から巻雲の雲量が増えていき,巻層雲へ.そこからは本当に素晴らしい現象が生じ続けました.

まずは,明瞭なタンジェントアーク(TA)が登場.TAは太陽高度によって形が大きく変わる光象で,Σ=38~36°(太陽高度38~36°の意)にかけて上部TAは上に凸の形からカモメのような曲率を持ち始めます.観察を続けるに従い,その形状が大きく変わっていることを観察できました.また,TAはそこまでレアな現象ではないですが,その形状が十分にわかるようなものはかなりレアだと思います.3年以上毎日空を見続けてきて,初めてくらいの立派なTAでした.

レア現象はその後も続きます.Σ=36°付近には,天頂付近に光象を確認.環天頂アーク(CZA)のようにも思えますが,この太陽高度の時はCZAは現れないため,46°ハロのかけらであると考えるのが妥当でしょう.TAもかなり明瞭でしたしね.

この辺りから,今日は普段とは違う日であることを確信しました.幻日環もきっと生じると思い,幻日環が生じる場所(天球上で太陽と同じ高度の場所)を見ていると,やはり見え始めました.生憎,太陽の高度は低めで,全周の幻日環の撮影とはいきませんでしたが十分すぎるほどです.その後,120°幻日も観測.これで2度目の遭遇です.

そして,シメにはパリーアーク(PA)!ここまで明瞭なTAを見せたのですから,見えて当たり前と思い,注視し続けたところ,Σ=36°あたりでようやく見え始めました.TAは六角柱氷晶の長軸が水平を保った分布により生じるものに対し,PAはそれプラス六角柱の側面の一つが水平になるという厳しい制限で生じるものです.多分Σ=37°くらいの時にも生じていたのでしょうが,TAと距離が近く断定は難しいです.

また,今日のこれらの現象が起きる前に,たまたま西の空をタイムラプス撮影していました.その結果,太陽高度が変わるに従って幻日環と120°幻日の出現高度が変化していく様子を記録することができました.

それでは,2019年10月28日の記録をご覧ください.

▼幻日環・120°幻日の微速度撮影▼

▼幻日環・120°幻日が見えたところをクロップ 太陽高度入り▼

▼現象が生じた時のtweet▼



▼クリックすると大きな写真で楽しめます▼





11:25 飛行機雲から始まる巻雲 11:57 22°ハロ 幻日 12:52 12:54 上部TAが明瞭になり始める 13:10 幻日環を確認





13:10 全周しそうな幻日環 13:18 両側の幻日とそれを貫く幻日環 13:21 鮮烈な幻日と明瞭なTA  13:21 13:22 パリーアークも見えているか?
Σ=37°ではTAとの区別がつきにくい


13:23 天頂付近に46度ハロ
( Σ=36°では46°ハロしかありえないため)
強調処理+現象解説 13:25  13:26 円周魚眼をトリミング 46°ハロも 13:27 Σ=35°のTA
13:27 13:30 13:31 北に幻日環を確認 13:31 13:33
パノラマ合成 13:35 幻日環中の明るいスポットは120°幻日 13:35 13:36 円周魚眼でないと幻日環の全容は捉えられない 強調処理+現象解説
13:36 120°幻日 13:47 13:51 13:52 上部パリーアーク(suncave)が見え始める 13:52 Σ=32°





13:52 Σ=36°になるとPAはTAと分離してきて明瞭化する 強調処理 13:53 その時の全体 とその強調処理 17:30 高積雲の夕焼け





17:30 17:30 鈴鹿山系による高積雲
 

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